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キャタピラー

ベルリン国際映画祭で主演の寺島しのぶが最優秀女優賞を受賞した話題の映画
若松孝二監督作品「キャタピラー」
埼玉では今のところ上映館がないようなので、お隣の群馬県高崎にある
シネマテークたかさき」に見に行ってきました。



お隣の県といっても熊谷から高崎までは高崎線で45分くらいですから
近いもんです。
東京よりちよっと遅れていい作品を上映してくれるミニシアターなので
気にはなっていた映画館で、今回はじめて足を運んでみました。

58席ほぼ満席状態で、平日の昼間のせいか年配の方が多かったです。

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★★★★★

わずかスタッフ14名、12日間で撮りあげた作品だそうです。
若松監督の前作「実録・連合赤軍・・・」も見ましたが、今回は反戦映画。
若松監督らしいなあ・・・

ストーリーは
一銭五厘の赤紙1枚で召集される男たち。シゲ子の夫・久蔵も盛大に見送られ、
勇ましく戦場へと出征していった。しかしシゲ子の元に帰ってきた久蔵は、
顔面が焼けただれ、四肢を失った無残な姿であった。
村中から奇異の眼を向けられながらも、多くの勲章を胸に、
“生ける軍神”と祀り上げられる久蔵。四肢を失っても衰えることの無い
久蔵の旺盛な食欲と性欲に、シゲ子は戸惑いつつも軍神の妻として自らを奮い立たせ、
久蔵に尽くしていく。四肢を失い、言葉を失ってもなお、自らを讃えた新聞記事や、
勲章を誇りにしている久蔵の姿に、やがてシゲ子は空虚なものを感じ始める。
敗戦が色濃くなっていく中、久蔵の脳裏に忘れかけていた戦場での風景が蘇り始め、
久蔵の中で何かが崩れ始めていく。
そして、久蔵とシゲ子、それぞれに敗戦の日が訪れる……。

女優賞をもらった寺島しのぶの演技ばかり絶賛されるが、久蔵役の大西信満の
体当たりの演技もすばらしい!

四肢を失い耳も聞こえず、声も失った久蔵が唯一生きていると実感できる
それが食欲と性欲だったんだと思う。

反戦映画とともに私には男女の愛憎劇とうつった。

反戦というならエンディングに流れる元ちとせの「死んだ女の子」の歌が
胸に突き刺さって痛い。

ところでエンドロールに流れる撮影場所を見て驚いた!
私のふるさと、新潟県柏崎市だったのです。

キャタピラー_c0191138_21311853.jpg


新潟県柏崎市高柳町荻の島の萱葺きの集落。
by zac90109 | 2010-08-17 21:33 | 映画