2010年 08月 17日
キャタピラー
若松孝二監督作品「キャタピラー」
埼玉では今のところ上映館がないようなので、お隣の群馬県高崎にある
「シネマテークたかさき」に見に行ってきました。
お隣の県といっても熊谷から高崎までは高崎線で45分くらいですから
近いもんです。
東京よりちよっと遅れていい作品を上映してくれるミニシアターなので
気にはなっていた映画館で、今回はじめて足を運んでみました。
58席ほぼ満席状態で、平日の昼間のせいか年配の方が多かったです。
★★★★★
わずかスタッフ14名、12日間で撮りあげた作品だそうです。
若松監督の前作「実録・連合赤軍・・・」も見ましたが、今回は反戦映画。
若松監督らしいなあ・・・
ストーリーは
一銭五厘の赤紙1枚で召集される男たち。シゲ子の夫・久蔵も盛大に見送られ、
勇ましく戦場へと出征していった。しかしシゲ子の元に帰ってきた久蔵は、
顔面が焼けただれ、四肢を失った無残な姿であった。
村中から奇異の眼を向けられながらも、多くの勲章を胸に、
“生ける軍神”と祀り上げられる久蔵。四肢を失っても衰えることの無い
久蔵の旺盛な食欲と性欲に、シゲ子は戸惑いつつも軍神の妻として自らを奮い立たせ、
久蔵に尽くしていく。四肢を失い、言葉を失ってもなお、自らを讃えた新聞記事や、
勲章を誇りにしている久蔵の姿に、やがてシゲ子は空虚なものを感じ始める。
敗戦が色濃くなっていく中、久蔵の脳裏に忘れかけていた戦場での風景が蘇り始め、
久蔵の中で何かが崩れ始めていく。
そして、久蔵とシゲ子、それぞれに敗戦の日が訪れる……。
女優賞をもらった寺島しのぶの演技ばかり絶賛されるが、久蔵役の大西信満の
体当たりの演技もすばらしい!
四肢を失い耳も聞こえず、声も失った久蔵が唯一生きていると実感できる
それが食欲と性欲だったんだと思う。
反戦映画とともに私には男女の愛憎劇とうつった。
反戦というならエンディングに流れる元ちとせの「死んだ女の子」の歌が
胸に突き刺さって痛い。
ところでエンドロールに流れる撮影場所を見て驚いた!
私のふるさと、新潟県柏崎市だったのです。
新潟県柏崎市高柳町荻の島の萱葺きの集落。
by zac90109
| 2010-08-17 21:33
| 映画