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ヴィヨンの妻 桜桃とたんぽぽ

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★★★★

モントリオール映画祭で監督賞をもらった作品だというので
見てみました。

太宰治のいくつかの作品をもとに田中陽造が松たか子を頭において
書いた脚本だそうだ。

小説家としては才能があるのだろうが
酒飲みで、飲み代を踏み倒して、挙句にどろぼうまでする。
女を作り、いつも「死にたい・・・」と漏らし、心中未遂までする男。
そのうえ、飲み屋で働かせている妻には浮気をしていないか、
嫉妬までする・・・

こんな男!どこがいい?!

今日はレディースディだったから、観客も多く女性ばかりだったが
絶対、みんな「こんな男!どこがいい?!」
だったと思う!

しかし、こんな男を献身的に支える松演じる「佐知」は
男がダメなほどにいきいきとしてくる。

女性には母性本能が多かれ少なかれあるけれど
やんちゃな子を持つ母のような心情なんでしょうか??

私は夫婦というものにはお互いを尊敬できるところが
ひとつでもあればやっていける。と思っているのですが
「佐知」も小説家としての「大谷」の才能を尊敬しているから
なんでしょうか・・・

他の女と心中未遂までした夫のために、佐知は今は弁護士となった
昔好きだった男に会いに行き、弁護を頼むのですが、行く前に
真っ赤な口紅を塗って行きます。
弁護士になった男は佐知のことが好きです。ダメ男を支えるこの
「凛とした女」が好きなんです。
そして、そのことを知っている佐知が口紅を塗って・・・
このたくましいまでのしたたかさには参ってしまう。

松たか子がうつくしい!
広末涼子も一皮むけて、いい女優になったなぁ。
by zac90109 | 2009-10-19 22:43 | 映画