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ウォンビンの「母なる証明」

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★★★★★
やっぱりすごい映画でした!!

10月31日から公開の作品。
どうしても早く見たいという気持ちを抑えきれずに
さいたま新都心まで見に行ってきました!
埼玉県内ではここと羽生しか上映していないんです・・・
熊谷にもシネコンは二つもあるのに・・・悲しい

今日は祝日で映画料金は1800円。
祝日だからバスの本数も少なくアクセスも悪い。
おまけに熊谷は「えびす祭り」と「駅伝」が重なって
バスは迂回で時間がかかると来ている・・・

そんな悪条件のなかでも、どうしても見たかったんです。
ウォンビンが出ているから?
それもあるけど、6月に韓国に行ったとき
ちょうど韓国で上映されていて、ポスターを見たとき
「これは絶対面白い!」って直感しました。

兵役後、5年ぶりの復帰作となるウォンビン。
韓流ファンと思われるおばさま達で、会場は満席。
韓流、根強い!

ドラマ、映画とたくさん見てきた私としては
韓流ファンではありますが、どの役者というより
監督に惹かれます。

「母なる証明」はあのポン・ジュノの作品なんです!
「殺人の追憶」「グエムル」の・・・
特に「殺人の追憶」は今まで見た多くの韓国映画の中でも
5本の指に入るほど鳥肌の立ったすごい映画です。

この作品もそれに勝るとも劣らないすごい映画でした。
ウォンビンもいい作品で復帰を果たしてよかった!

漢方薬店で働きながら一人息子を育て上げた母(キム・ヘジャ)
ある日、この町で女子高生が殺される事件が起き、その容疑者として
息子(ウォンビン)が逮捕されてしまう。
息子の無実を信じる母は、たった一人で真犯人を探していくのですが・・・

私が思っていた真犯人、そして結末は見事に裏切られ圧倒されました。
誰が犯人か?ということとそれを上回る人間ドラマ、「母の愛」に
完全に打ちのめされました。

見た人、それぞれがいろいろな解釈の出来る映画です。
だから好きです。こういう映画。
「ゆれる」「ディア・ドクター」「蛇いちご」の西川美和が
好きなように・・・

自分がこの母だったらどうしよう・・・
この結末、許せる?許せない?
この結末にはもう一人の「母」が隠れているんですよね・・・

この映画では「あのウォンビン」だってことを忘れてしまうほど
知恵遅れの「トジュン」になってしまっていますが
ラスト近く、母の忘れ物を渡すときに見せた、悲しいようなやさしい眼差し。
あの「秋の童話」でひたむきな愛をそそいだ彼を思い出しました。

そして「殺人の追憶」もそうだったように、激しく降り注ぐ「雨」
何か胸騒ぎがして、このままじゃあ終わらないぞ・・・って
見ている者をグイグイ引きこんでいくようです。

帰り道、11月上旬号の「キネ旬」のこの映画の特集を
むさぼるように読んでいたら
「仕事にかまけて家庭を顧みない夫に失望した母親は、しばしば
わが子の存在だけを生きがいにしようとする。これが日韓に共通する
母子密着型の文化をもたらす。
それは母性愛の美談をもたらすが、同時に家族病理の原因ともなる。
たとえば、近親相姦は、欧米では父と娘の間で起こりやすいが
日本と韓国では母と息子という組み合わせが圧倒的に多いとされている。
息子が母親を殴るタイプの家庭内暴力が多いのも、世界的にも
この地域だけなのだ。」
とあった。

「母なる証明」は「チェイサー」と並んで今年の私のBEST5になるでしょう。
恐るべし!韓国映画のパワー!
by zac90109 | 2009-11-03 17:29 | 映画