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「北のカナリアたち」心が暖かくなります。

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★★★★★
吉永小百合におんぶにだっこの作品かと思っていましたが、いえいえ湊かなえの
原作としっかりした脚本、それに確かな演技人たちによって心温まる重厚な作品
に仕上がっていたと思います。
最後、涙してしまいました。

今私が最も好きな若手男優、森山未来と最も好きな若手女優、小池栄子、そして
宮崎あおいなど、やっぱりうまいですね!
吉永小百合のサスペンスものっていうのもめずらしいようです。

ストーリーは
東京郊外で図書館司書をしている川島はるは、かつて北海道の北端にある離島で
教師をしていた頃を思い出していた。その当時はるは、ある事故をきっかけに
島から出て行ってしまったのだった。
それから20年たち、教え子の一人が事件を起こした事を知る。
疑問を抱いたはるは、かつての自分が受け持っていた生徒たちに会うため北海道へ向かう。
恩師と再会した教え子たちは、それぞれ複雑で苦しい胸中を抱えていた…。

前半は吉永小百合演じる「はる先生」のかつての教え子「信人」の犯した殺人事件
に始まるのですが、そのうち「はる先生」が何故20年前に島を離れなければならなかった
のかという秘密、そして教え子たち6人がそれぞれ20年前のある事件に対して
深い悔恨の気持ちを持ち続けているということが明らかになってきて、その点と点が
結び合ってきて線になってくる。
唯一「はる先生」が心の奥にずっとしまったままにしている「あの気持ち」が恋なのか、
人間としての愛なのかは見ている人に委ねているのでしょう。

湊かなえの原作がすばらしいのでしょうね。

67才になる吉永小百合は40才代を演じていても全然不自然じゃなくて、体形はもちろん
煙突に登ったり、泳いだり、何気ない動きも軽やかでほんとすごいです!

森山未来は「苦役列車」で演じた「北町貫多」を思い出してしまいました。
ほんとにこれからもっともっと楽しみな俳優さんです。

日本の最北端、利尻島と礼文島の厳しい冬を舞台に人間のあったかい思いやりの気持ちが
じーんと来て「生きていていいよ」が心に染み込んで来ます。
by zac90109 | 2012-11-05 11:21 | 映画