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「東京家族」いい映画なんだろうけど何か物足りない・・・

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★★★★
最初、家族関係がよく分からなかった。
広島から出てきた父親が橋爪功で長男の幸一が西村雅彦、長女の滋子が中嶋朋子、
そして次男の昌次が妻夫木聡。
年齢がいくつ離れているの?
親子?兄弟?

ストーリーは
瀬戸内海の小さな島で生活している平山周吉と妻のとみこは、子供たちに会うために
東京にやって来た。二人は個人病院を開く長男・幸一の家を訪れる。
美容院を営む長女・滋子、舞台美術の仕事に携わる次男・昌次が集い、
家族揃って食卓を囲むも束の間、忙しい日々を送る彼らは両親の面倒を見るのを嫌がり、
両親をホテルに宿泊させようとする。
周吉は寂しさを覚え、やめていた酒を飲んで騒動を起こしてしまう…。

こういうのをいい作品というのでしょうし、確かに私も涙させてもらいましたが
だけど何か物足りなさを感じてしまいました。

こういった家族の映画では誰の立場で見るかで変わってくるかもしれませんが
私自身は親の立場にも子供の立場にも該当する年齢です。
わざわざ東京に出てきた両親をホテルに泊めるくだりはけっして子供たちに
悪意があったわけではないし、親を邪険にしたいわけでもなく子供たちも
東京での自分たちの生活が忙しいのです。

父親を頑固者みたいに扱っていますが、私からみると全然頑固者とは程遠い
感じがして、年齢を重ねるとみんな頑固になってくる面はありますが、
あれくらい普通だと思いますけど・・・
是枝監督の「歩いても歩いても」に出てくる父親。ああいうのを頑固者って
言うんだと思いますよ。

細かいこと言いますが長男の家の台所のシンクの高さが奥さんの夏川結衣には
低すぎると感じたのですが・・・
何故そんな小さなことにこだわるのかといいますと、あれでは長男一家がそこに
ずっと住んでいるというリアリティさが感じられず、そうなると家族の話が
作り物っぽくなってしまうと思うのです。
その点ではやはり家族のことを描いた是枝監督の「歩いても歩いても」に出てくる
台所は見事だと思います。

中盤の昌次の恋人、蒼井優演じる紀子が出てきたあたりから吉行和子演じる母も
生き生きとしてきて流れが良くなったと思います。

山田洋次監督は巨匠小津安二郎の「東京物語」をモチーフにして作ったそうですが
東日本大震災の発生を受けてシナリオを変更したそうです。
変更する前はどうだったのでしょうか?

ラスト、瀬戸内海に浮かぶ島、故郷には隣のゆきちゃんみたいなあんないい子
ばかり住んでいるということでしょうか?
故郷を離れてはいけないということなのでしょうか?
by zac90109 | 2013-01-21 22:03 | 映画